損する人は、待ち合わせ場所に全力疾走で向かって「遅い」と怒られる。
損しない人は、小走りで行って「意外に早かったね」と褒められる。
その違いはどこにあるのでしょうか?
待ち合わせ時間には決して遅れてはいけません。
常に一歩先の行動を心掛けることが大切です。
と、言うのは簡単です。しかし、人生どんなハプニングが起きるかわかりません。
もしかしたら…
出掛けた矢先、靴ヒモが切れるかもしれません。
人身事故で電車の中に閉じ込められるかもしれません。
街中でアイドルと間違われ熱狂的なファンに追い掛け回されるかもしれません。
このような予期せぬ出来事は、そう頻発するものではありません。ですから、日頃の行いに問題がなければ、一度の遅刻で激怒されることは滅多にないでしょう。しかし、どんな予想外の展開に巻き込まれたとしても、遅刻する可能性が現れたなら、すぐさまその旨を相手に伝えるのが社会人としての最低限のマナーです。そのマナーをわきまえ、事前に連絡する人は大勢いるのですが、その連絡の仕方で損している人もまた大勢います。
あなたはどうでしょうか?
そのとき、あなたは友達に何と連絡しますか?
普段の自分の行動を思い起こして、考えてみて下さい。
「ごめん、電車が遅れて10分くらい遅れる」と、連絡を入れる人は注意が必要です。あなたは損する人です。
なぜならば、二つのミスを犯しているからです。
遅刻の理由は相手に聞かれるまで決して口にしてはいけない。
言い訳は未来の自分ではなく、今の自分を守るアイテムです。遅刻の理由を口にしたい気持ちはよく分かります。自分に落ち度が全くなければ、なおさら声を大にして叫びたいはずです。
しかし、その言い訳で未来のあなたは得するのでしょうか?
「それなら仕方ないね」と、相手に言わせたら勝ちなのでしょうか?
それは”自己防衛”と言う名を借りた”自己満足”でしかありません。どんなに正当性に溢れる理由であったとしても、聞きもしていない相手に遅刻の理由を話すメリットはありません。「あっ!こいつ、今、言い訳をしたな」と、思われるのが関の山です。それが決して表には出てこない心の声です。
遅刻の理由は、先に気にした人が負けです。
遅刻した側が遅れた理由を言いたいのと同じくらい、待たされた側も遅刻の理由が気になっています。「私はこんなにも待ったんだから、遅刻した理由を聞く権利がある」と言わんばかりに。
ですから、相手に遅刻の理由を聞かれてから、用意しておいた正当な理由を語るのです。そうすれば、そこで語る理由は、もはや言い訳とは思われません。あなたは問われた質問に答えただけなのですから。逆に、「こいつ、自分が悪いワケではないのに、言い訳しないんだ」と、株が上がります。
自分から喋りたい理由のほとんどが、自分を守るための言い訳です。しかし、その自分を守る言い訳が、逆に自分の立場を危うくさせていることに気付くべきです。相手に理由を説明したくなったときは、頭の中で「その言い訳は誰のための発言?」「何を守るための発言?」と繰り返してみて下さい。そうすれば、冷静になれるはずです。
損する人は、言い訳の内容を考えます。
損しない人は、言い訳を話すタイミングを考えます。
同じ理由を話すにしても、その理由を話すタイミングによって、相手に与える印象は大きく変わります。
遅刻の連絡を入れるときは到着時間に余裕を持たせる
罪悪感とバツの悪さから遅れる時間を少しでも短く言いたくなる気持ちは分かります。しかし、10分遅れそうなときに、「10分遅れる」と連絡を入れてはいけません。伝えた時間ギリギリに着いても相手の表情は曇ったままです。それならば、最初から少し長めの時間を提示した方がお互いのためになります。
先の例で言うと、「10分遅れる」ではなく「15分遅れる」と伝えるべきです。「15分遅れる」と言って、11分後に到着しても怒られることはありません。しかし、「10分待って」と言って、仮に11分後に到着したら、相手の顔にはより一層暗い雲が漂うことになります。
たかが1分、されど1分。しかし、その1分の重みは待たされた側にしてはかなり大きいのです。なにしろ、待たされた側は二度裏切られたことになるのですから。
到着時刻を何分後にしようと、相手はあなたが到着するまで待たなければいけません。それならば、待ち時間を極力無駄にさせないのが相手への思いやりです。10分では無理でも、15分だとスタバを往復できるかもしれません。
損しない人は自分の気持ちではなく、相手の気持ちを基準に自分が取るべき行動を考えます。
到着時刻が11分後になる可能性があるにも関わらず、「10分待って」と言うは、誰のための発言なのでしょうか?
今一度考えてみれば、その答えが自分の罪を少しでも軽くし、自分を守るための発言であることが分かるでしょう。罪悪感を抱いてギリギリの時間を提示しても、それは相手のためになりません。
損する人は、「10分待って」と言って、10分後に到着します。
損しない人は、「15分待って」と言って、10分後に到着します。
到着時刻は同じでも、相手に与える印象は大きく異なります。
まとめ
以上をまとめると、遅刻の連絡を入れる時に気を付けるべきポイントは次の二点です。
1. 遅刻の理由は相手に聞かれるまで決して答えない。
2. 到着予定時間はギリギリを狙わない。
この二点に注意するだけであなたの印象は大きく変わります。
遅刻しないことが一番ですが、どうしても避けられないときもあります。予定時間に間に合わないと分かったときは、誰でも冷静さと、相手を思いやる気持ちを失います。
だからこそ、この「言い訳は聞かれてから話す」と「到着時間には余裕を持たせる」の意味を理解してもらいたいのです。それが、待つ側、待たせる側、双方のためになるのですから。
損する人は、待ち合わせ場所に全力疾走で向かって、「遅い」と怒られる。
損しない人は、小走りで行って「意外に早かったね」と褒められる。
今のあなたなら、この違いが理解できるはずです。