「図書券1,000円分あげるから許して」
- 謝罪におけるリスク管理とは、被害を最小限に留めることではありません。
- 絶対に譲れない最低ラインを守ることです。
- 中途半端な謝罪は火に油を注ぐだけです。
「図書券1,000円分でダメなら、2,000円分ではどう?」
- 支払う代償は、徐々に下げてはいけません。
- 被害をできる限り小さくしようとする謝罪は、悪印象しか与えないからです。
- ピンチをチャンスに変える謝罪は、良い意味で相手の期待を裏切ります。
「彼女との仲を取り戻すなら、3,000円なんて安いものだ!」
- 許しを得るために、何を犠牲にできるのか?
- それは守るべきラインが明確になれば、自ずと見えてきます。
- 謝罪は「どんな未来を求めるのか?」をはっきりさせることからスタートします。
「3,000円分の図書券を渡したんだから許してよ」
- 犠牲の程度に関係なく、自分勝手な犠牲は相手の心に響きません。
- ストーカーに、「付き合ってくれなければ死ぬ」と力説されても、付き合う気になれないのと同じです。
- 相手にとってメリットのある条件でなければ、話は聞いてもらえません。
「遅刻のお詫びに、この前行きたいって言ってたフレンチをおごるよ」
- 犠牲においても相手の立場になって考えることは必須です。
- あなたが提示する解決案が相手にとって、どのくらいのプラスになるのか?
- それを上手にプレゼンできなければ、相手の許しは期待できません。
「じゃ、一番安い3,000円のコースにしよう」
- 「謝る側」と「謝られる側」とでは、“価値基準” が異なります。
- 遅刻した側が「3,000円の出費はデカい」と思っても、待たされた側は「3時間も待たされて、一番安いコースか……」と感じるものです。
- そのスレ違いは、損得の感じ方に由来します。
このグラフは、横軸を収支(損得の大きさ)、縦軸を価値(感情の大きさ)を表しています。
つまり、同じ3,000円でも人は得より損に敏感である、ということです。
謝る側が「コレぐらいしたら許してもらえるだろう」と思う事でも、謝られる側は「たったソレだけ?」と感じます。
謝罪における償いとは、本気度を示すためのバロメーターです。
その大きさが、あなたの覚悟となります。
謝罪は何度もやり直しができません。
ですから、最初の謝罪でどれだけ相手の心を揺さぶることができるか?
それが運命の分かれ道となります。
相手基準の価値観で考え、相手の期待を良い意味で裏切る
それが謝罪で損しないための秘訣です。
損する人は、被害を最小限に留めようと努力します。
損しない人は、相手基準で何をすべきかを考えます。
【損する謝罪】
「フレンチって高いから一番安いコースでいいよね?これで今回の遅刻はチャラにしてくれるよね?」
【得する謝罪】
「君と食事できることの幸せを改めて実感したよ。今日は美味しい物を食べようね」
第四章 謝罪では相手の期待を裏切れ! (本記事)
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