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なぜ分数の足し算では分母を揃えるのか?素朴な疑問がIQを上げる

もしも、小学生に

「1/2+1/3は、なぜ2/5にならないの?」

と尋ねられたら、あなたは何と答えますか?

その返答一つで、あなたの知的レベルが分かります。

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【目次】

第1章 簡単な引っかけ問題に挑戦してみよう!

第2章 正解はこちら

第3章 ハメられたことがミスではない……

第4章 学校で習った勉強法の欠点とは?

第5章 小さな勘違いが大きな失敗へ

第6章 1/2+1/3が2/5にならない本当の理由

第1章 簡単な引っかけ問題に挑戦してみよう!

なぜ、1/2+1/3は2/5にならないのか?

それを説明するために、ちょうど良い問題があります。次の問題に挑戦してみてください。

【問1】

ヒロシ君は自宅から会社までの道のりを平均時速60 km/hで運転しました。

帰りはエコ運転に心掛け、同じ道を平均時速40 km/hで走りました。

さて、往復での平均時速はいくらでしょうか?

往復

どうでしょうか?

答えは出ましたか?

では、正解の発表です。

正解は、48 km/hです。

ここで、『50』という数字を導き出した人は、注意が必要です。

分数の本質を間違って理解しています。

第2章 正解はこちら

さて、『48』という数字は一体どこからやってきたのでしょうか?

こういった紛らわしさが、算数や数学を嫌いになるキッカケかもしれません。

しかし、解き方は非常にシンプルです。

【解答】

まず、自宅から会社までの通勤距離を240 kmとします。

(ここでの240 kmに意味はありません。計算しやすい数字として仮定しただけです)

行きは平均時速60 km/hで走行しているので、通勤に4時間かかります。

帰りは平均時速40 km/hで走行しているので、帰宅に6時間かかります。

往復計算

(通勤に時間かかり過ぎだろ……というツッコミはなしですよ。あくまでも計算しやすいように過程しただけですから)

次に、往復での走行距離と、走行時間を考えると、

走行距離は、「片道240 km × 往復」で、480 kmとなり、

走行時間は、行きが4時間、帰りが6時間なので、トータル10時間かかったことになります。

あとは、『走った距離』を『かかった時間』で割れば、『48』という数字が導き出されます。

いかがでしょうか?

解答を見れば非常にシンプルな問題です。

小学校で習った「はじき(速さ・時間・距離)」だけで解ける問題です。

それにも関わらず、多くの人が勘違いしてしまいます。

今回は冒頭で「引っかけ問題に挑戦してみましょう」と紹介したので、勘の良い人は「50 km/hではないんだろうな……」と気付いたことでしょう。

しかし、このような引っかけが、ズル賢い人たちに利用されていたとしても、

私は引っかからない!」と言い切れますか?

第3章 ハメられたことがミスではない……

今回このような時速の問題を出したのは、“もっともらしい答え” の危険性を実感してもらいたかったからです。

もっともらしい答え” には注意が必要です。

と、締めくくりたいところでですが、ここで二つ目の問題です。

【問2】

なぜ、問1の答えが『平均時速50 km/h』ではいけなかったのでしょうか?

「えっ?解答があったよね?」

と思った人は要注意です。

先ほどの解答は、『48 km/h』を導き出すための説明であって、50 km/h』が間違っている理由ではありません。

これが今回、一番述べたかった内容の本質です。

通常、問1のような引っかけ問題から繰り広げられる話はワンパターンです。

1)読者が勘違いしやすい問題を準備し、

2)ワナに引っかかったタイミングで正解を説明し、

3)「次からは注意しましょう!」といった注意喚起で締めくくります。

これらのステップを踏むことで、話はキレイにまとまります。

しかし、一番大切なポイントが見落とされています。

それは「なぜ引っかかってしまったのか?」 その理由です。

今回で言えば、「なぜ平均時速50 km/hではいけないのか?」 その理由です。

(60 km/h + 40 km/h) ÷ 2 = 50 km/h

これのどこに問題があるのか?

ここに疑問を抱かなかった人は、何かを学んだ気になっているだけで、何も学んでいません

引っかけ問題において、間違えることはミスではありません。

同じミスを繰り返すその可能性を残したままでいることが最大のミスです。

多くの人は、学校の勉強に慣れ過ぎて、大切な “好奇心” を忘れかけています。

第4章 学校で習った勉強法の欠点とは?

学校の勉強では、「何が正解なのか?」に重点を置くため、「なぜ間違えたのか?」についてはあまり言及しません。

そのため、多くの人が「1/2+1/3の答え」は導き出せても、「2/5ではいけない理由」は説明できないのです。

「分数の足し算では分母を揃えなければいけないから」は解き方の説明であって、

「2/5ではいけない理由」ではありません。

受験では正解を追い求める勉強が一番効率的です。

テストには必ず「答え」が存在するからです。

しかし、社会人になってから直面する問題には、必ずしも「答え」が存在するとは限りません。

  • 高齢化に伴う医療費の拡大
  • 原子力発電の賛否
  • 表現の自由とプライバシーの尊重

これらの問題には、100点満点の答えが未だに見い出せていないのが現状です。

もっと身近な例で言うと、

  • 理想の人生とは?
  • 5年後どうなりたいか?
  • 幸せとは?

これらの問題も、参考書をめくれば「答え」が見つけられる類(たぐい)ではありません。

正解のみを求める勉強法では、社会人になってからの問題には対応できません。

自ら疑問を持ち考える。

それが記憶をベースとした学生時代の勉強法より何十倍も重要です。

第5章 小さな勘違いが大きな失敗へ

「平均時速が『48 km/h』であろうが、『50 km/h』であろうが、その差はたったの『2 km/h』ではないか!」

「その差がそんなにも重要なの?」

「話を飛躍させ過ぎでは?」

といった意見をよく頂きます。

しかし、その『2 km/h』が重要なのです

その差をあなどっていては、深い深い落とし穴にハマってしまいます。

例えば、先ほどの問題が次のような内容であった場合はどうでしょうか?

1)行きの平均時速が60 km/h

2)帰りの平均時速は0 km/h

さて、往復での平均時速はいくらでしょうか?

この場合、ヒロシ君は家にたどり着けていません。ずっと会社に留まったままです。

ですから、往復の平均時速など存在しません。

しかし、単純に「両者を足して2で割る」だけなら、『30』という数字が導き出されてしまいます。

いつの間にかヒロシ君は、会社から自宅へワープしてしまっているのです。

往復 ?

なぜ正解にたどり着けなかったのか?

なぜ1/2+1/3は2/5にならないのか?

その本質を理解しないことには、大きなミスに繋がる可能性を秘めています。

第6章 1/2+1/3が2/5にならない本当の理由

それを一言で述べると、“前提条件が両立しなくなるから” です。

例えばです。付き合いたての恋人と次のようなデートを計画していたとします。

もし明日晴れたら、一緒に星空を見に行こう

もし明日雪が降ったら、一緒に雪だるまを作ろう

ではもし明日の天気が、曇りであったら……

夜景を見ながら雪だるまを作ろう!

となりますか?

2つのイベントを足し合わるには、2つの “前提条件” が共に成り立つ必要があります。

つまり、空に雲がなく、なおかつ雪が積もっていた場合に限り、夜景を見ながら雪だるまを作ろうという選択肢が生まれます。

話を分数に戻します。

1/2とは、“二等分した内の1つ

1/3とは、“三等分にした内の1つ” という意味です。

分数の分母は “条件” を意味します。

1/2と1/3を足し合わせるためには、“二等分にする” と “三等分にする” という2つの条件が両立する必要があります。

しかし2/5とは、“五等分にした内の2つ” という意味です。

二等分にする” と “三等分にする” という条件をどちらも満たしません。

分数の足し算

ですから、1/2+1/3は2/5にならないのです。

条件を揃えていないから」です。

「分母を揃えないといけないから」ではありません。

1/2+1/3の計算では、結果として分母を揃えただけです。

分母を揃えるだけで答えが導き出せるのであれば、問1の答えが50 km/hでも問題なかったはずです。

なぜ、問1の答えが50 km/hではいけないのか?

その謎を解くカギは、 “時速の単位” にあります。

時速とは「1時間当たりに何km進むか?」を表した単位です。

ですから、平均時速が足し算できるのは、分母に位置する “時間という条件” が一致する場合、

つまりは、“行きと帰りの走行時間が一致” する場合に限ります。

平均時速60 km/hで1時間走行し、平均時速40 km/hで1時間走行した場合に限り、平均時速が50 km/hとなるのです。

問1のように “行きと帰りの走行距離が一致” する場合には、それぞれの区間で走った時間が異なるため、各々の平均時速を足し合わせることができません。

ですから、平均時速50 km/hは間違いなのです。

「なぜ、間違えてしまったのか?」

それを振り返るだけでも、大きな経験となります。

重要なのは、正解を知ることではなく、同じミスを繰り返さないことです。

まずは、納得できないことには「納得できない!」と強く主張し、とことん考えるクセを身につけましょう。

それが “人間ゆえの、人間だけの、人間らしい知的さ” です。

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