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今より若い時はない!損する人はアレしなかったことを60年後に後悔する!

想像してみて下さい。

頭には黒い三角帽、上半身には黒マント、右手にはホウキ。どこからどうみても怪しげな女があなたの目の前に現れました。マントの隙間からは、その格好には不釣り合いな荒目の網タイツが見え隠れしています。遠目で見たら、ハロウィンパーティのために仮装したOLにしか見えません。しかし、本人いわく、本物の魔女らしいです。

そんな自称魔女を名乗るマリー(28歳)が、あなたの一週間を買いたいと申し出てきました。一週間を買うと言っても、魔女の召使いとしてこき使われるワケではありません。マリーの話によると、時間の売買が成立すると魔女の不思議な力によって、一週間後の世界に飛ぶそうです。簡単に言うと、寝て起きたら一週間経っていた、という感じらしいです。痛みも苦痛もありません。もちろん、その間は学校や会社には行けないため、何かしらの仮病を使うことになりますが、運が良いのか悪いのか、今はちょうどインフルエンザが大流行しているため、ていの良い言い訳を考える必要はありません。

ここで気になるのが、マリーが時間を欲している理由です。その理由を尋ねてみると、マリーは一瞬の迷いも見せることなく、即答してくれました。マリーいわく、ある老人を助けるために、今この世界に生きている人の時間が欲しいらしいです。何とも非現実的で、雲をつかむような話ではありますが、もし今のあなたに時間的な余裕があり、交渉に応じても良いかなと思うなら、あなたはいくらの値で一週間を売りますか?

実際にあなたの家にマリーが訪ねてきたらと、想像力を働かせて考えてみて下さい。

どうでしょうか?

思い浮かんだ金額はいくらだったでしょうか?

この質問をすると多くの人が5万円~10万円の値を提示するそうです。

あなたが導き出した金額はいくらでしたか?

ほとんどの人は一週間の値段と言われてもピンとこないため、一ヶ月の給料を4等分したり、日当に7を掛けたりして、一週間の値段を算出するそうです。何とも合理的な計算方法です。

もしちょうど今、あなたがアルバイトを探していたなら、こんなに美味しい話はないでしょう。ちょっと怪しい話ではありますが、何の苦労もせずに大金を手にすることができるのですから。顔ではクールを装っていても、内心はそのお金で何を買おうかと思案し、ウキウキが止まらないことでしょう。

しかし、マリーの次の言葉でそのウキウキも吹っ飛ぶことになります。

「あら、お安いのね。それなら、3000週間分頂くわ」

茫然と立ちつくし、口をあんぐりと開けたままのあなたを後目に、マリーは話を続けます。

「あなたの提示額が一週間5~10万円だったから、3000週間分となると1.5〜3億円ね。一年が52週間ちょいだから3000週間はおよそ60年分ってことになるわね。だから60年分の時間を1.5~3億円で買うわ」

そう言うと、マリーはニコッと満足げな笑みを見せました。

心臓が止まるかと思う、とはまさにこのことでしょう。

「どうしたの?そんなハトが豆鉄砲を食ったような顔しちゃって。こんなお得な話は他にないでしょ?あなたの人生において、一番若い時であり、一番価値のある一週間がその値段なら、その後の一週間はもっと安くても良いはずよね?それも同じ値段で引き取るって言うんだから、こんな美味しい話はないわよ。もっと喜んでいいのよ。これであなたも念願のお金持ちね」

口の閉じ方を忘れたあなたを後目に、マリーは淡々と話を進めていきます。

「これでお互いに欲しいモノが手に入り、私もあなたもハッピーね。本当に良い買い物だったわ。それじゃぁ、これが約束のお金だからね」

マリーは銀色のブリーフケースをドンッドンッドンッと、大きな音を立てながら、3つ床に置いていきます。そして、ホウキをグルグルを回しながら呪文を唱え始めました。

「マジカル~トリック~、タイム~フライズ~ライク~アン~アロ~♪」

そう唱え、右手に持っていたホウキを天高らかに掲げると、マリーから凄まじい光が発せられ、辺り一面が金色に包まれました。思わず目を閉じた次の瞬間、後頭部が前に押し出されるような鈍い衝撃を受け、体から力が抜け、意識が遠のいていきます。このままでは、地面に崩れ落ちてしまいます。しかし、手も足も動かず、成す術がありません。覚悟を決め、固く歯を食いしばります。

しかし、しばらく経っても衝撃はありません。不思議に思い、恐る恐る目を開けてみると、目の前には見慣れた天井が広がっています。どうやらいつもの自分のベッドで横になっているようです。ゆっくりと体を起こし、右手で後頭部を触ってみます。少しだけ痛みが残っています。

ふと、魔女の「60年」という言葉が脳裏によぎります。慌てて自分の顔を触ってみますが、いつもと変わりありません。歳をとった形跡はないようです。

(何だ夢か……。悪い夢を見たな。それにしても60年もの時間がたったの1.5~3億円にしかならないのか……)

安堵と悲しみのため息をついた矢先、視界の端で見慣れない黒い物体が見えたような気がしました。

(えっ……!?)

勘違いであって欲しい。そう願いながら、その黒い物体の方にゆっくりと顔だけを回します。しかし、残念ながらその願いは叶いません。その黒い物体は、先ほどまでマリーが被っていた三角帽に間違いありません。

(夢じゃなかったのか?ってことは……)

体中の血が一瞬にして沸騰し、重量感のある汗が額から噴き出していきます。気が付いたら、洗面所に駈け出していました。洗面所の戸を勢いよく開け、中に入った次の瞬間、甲高い悲鳴が響き渡ります。

「きゃぁァァァ~。ノックくらいしなさいよ、バカ、バカ、バカ~」

一瞬、何が起きたのか分からず、ただただ硬直するしかできません。

目の前にはマリーがいます。

ジッとこっちを見ています。

椅子に腰かけて。

満面の笑みで。

ちゃんと服を着て。

「どう?驚いた?」

(こいつは一体何なんだ?何から処理すればいいのやら……)

「ごめん。ごめん。これには色々と深いワケがあるのよ。ちゃんと説明するからね」

そう言って、そそくさと洗面所から出ていきます。

その姿を横目で見送った後、恐る恐る鏡を覗き込んでみましたが、やはり歳をとった形跡はありません。シワが増えた様子もありません。体中が冷や汗まみれになって、疲れ顔になっている以外はいつも通りです。

一体、マリーの目的とは何だったんでしょうか?

「何度も騙しちゃってごめんなさいね。実は私は魔女ではないの。60年後の未来からやって来たあなたの孫なのよ。どう?また驚かせちゃった?

でも、そんなことはどうでもいいの。今日ここに来た本当の理由を話すとね、ある老人を助けたいって最初に言ったわよね?それは60年後のあなたのことなの。

60年後のあなたは、『60年前に戻ってやり直したい。やり直したい』って毎日のように言ってるわ。何回も何回も。『そのためなら、いくらお金を積んでも惜しまない』って。そんなあなたを見ていたら、ちょっと不憫に思っちゃってね。何とかしてあげたいと思ったのよ。それでこうやってわざわざ60年前のあなたに会いに来たってワケ。未来のあなたが戻りたがっている若かりし頃のあなたに会いにね。

時空を移動するのは大変なんだからね。感謝してよね。それで、未来のあなたが喉から手が出るほどに欲しがっている60年前の時間を、今のあなたがどう思っているのか、調べてみたってワケよ。

それで一週間の値段を聞いてみたの。そしたら、思いの外、安かったから……。ちょっと意地悪したくなっちゃったのよ。色々と考えて欲しくてね。

あなたのこれからの一週間は今後の人生において、最も若くて可能性に満ち溢れている一週間なのよ。それをたったの数万円で無駄にするのは勿体ないわ。たかだか28年しか生きていない私が言うのも可笑しな話だけどね。これは全部、60年後のあなたの言葉なのよ。少しは考えてあげてみて、60年後の自分のことを。そうすれば、今のあなたも、未来のあなたも、きっと輝けると思うの」

そう言うと、マリーはおもむろに立ち上がり、三角帽の方へと歩いて行きます。三角帽を手に取り深く被ると、勢いよく振り返ります。

そして、笑顔いっぱいの顔で、

「時の流れは一瞬よ。光陰矢のごとしって言うでしょ。それじゃまたね。マジカル~トリック~、タイム~フライズ~ライク~アン~アロ~♪」

と、聞き覚えのある呪文を唱えます。

その直後、凄まじい光がマリーから一瞬だけ発せられ、光が消えると同時にマリーはいなくなっていました。

この話は、完全な作り話です。

しかし、今の自分と、未来の自分。それぞれを見つめ直す良い機会になったのではないでしょうか?

あなたの一週間の値段はいくらでしたか?

それを60年後のあなたはどう思うでしょうか?

今を大切にしなかったっことを後悔するのは60年後のあなたです。

それを意識するだけでも、「今」の生き方は変わるはずです。

60年後に泣くも笑うも、これからのあなた次第です。

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